■アバスチンは組換え型抗VEGFモノクローナル抗体
■転移性結腸直腸癌に対する第一選択薬としてFDAが承認
■イリノテカン 、5-FU、ロイコボリンによる化学療法(IFL)との併用で、生存が約5カ月間延長(20.3カ月対15.6カ月)
■副作用(筆者は非常に危険な副作用と考えます。)
■1)損傷治癒障害や胃腸穿孔の重大な副作用あり。2%の患者に胃腸穿孔がおこる。
■2)出血 非小細胞性肺癌で抗癌剤とアバスチンと併用した場合、扁平上皮癌では31%に、腺癌では4%に重篤な喀血が見られる。抗癌剤のみの治療では1例もそのような事例はない。
■癌の増殖ならびに転移は血管新生と密接な関係があります。直径3-4mmの腫瘍は塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFといい血管新生を促す蛋白質)とインターロイキン-8(IL-8血管新生を促進する物質)の発現が直径10mm以上の腫瘍より強く、
直径10mm以上の腫瘍ではVEGFの発現が強いといわれています。免疫学的染色では、血管新生因子の存在部位は異なり、腫瘍の辺縁で細胞分裂が盛んな部位にbFGFとIL-8の発現が高く、VEGFは腫瘍の中心部に発現が高いと報告されています。
in vitroの研究では腫瘍細胞が疎である場合、 bFGFとIL-8発現が高く、正常細胞と接して密になってもこの bFGFとIL-8の発現は減少しません。VEGF発現は腫瘍細胞が密であると発現が高く、正常・異常細胞との接触とは関係がありません。
■純粋に抗VEGF作用のみを期待する病変に使用するなら、危険を冒しアバスチンを使用することに意味があると思います。しかしながら癌の血管新生には多数の因子が作用しています。
癌に対しては多数の血管新生因子に有効なサリドマイドの使用の方が有効かつ安全と考えます。もう少し安全性が確立するまで使用を差し控えた方がよいのではないかと思います。
■ アバスチンの危険性
1)卵巣癌患者の臨床試験で11%に小腸大腸穿孔が起こり、卵巣癌に対する臨床試験は中止された。(2005年9月23日)
more...2)術後大腸癌化学療法の臨床試験の患者募集が延期されました。臨床試験中、被験者に突然死がみられたためです。(2006年2月13日)
more...