アバスチン使用抗剤治療は断りましょう

転移性大腸癌へのアバスチンの継続使用

Continuation of bevacizumab after first progression in metastatic colorectal cancer (ML18147): a randomised phase 3 trial

Funding 資金提供

F Hoffmann-La Roche. アバスチン製造のグループ製薬会社

 

Interpretation

Maintenance of VEGF inhibition with bevacizumab plus standard second-line chemotherapy beyond disease progression has clinical benefits in patients with metastatic colorectal cancer. This approach is also being investigated in other tumour types, including metastatic breast and non-small cell lung cancers.

転移性大腸癌に抗癌剤との併用により臨床的に利点が認められています。他の癌転移性乳癌、非小細胞性肺癌にも有用性があると思われる。

ベバシズマブを術後補助化学療法に用いても効果なし

Final efficacy and updated safety results of the randomized phase III BEATRICE trial evaluating adjuvant bevacizumab-containing therapy in triple-negative early breast cancer

血管新生抑制剤は癌の種類にかかわらず同一の受容体に結合し、その効果を発揮します。乳癌だけでなく他の癌にも効果がないと推測できます。

Conclusion

Final OS results showed no significant benefit from bevacizumab therapy for early TNBC. Late-onset toxicities were rare in both groups. Five-year OS and IDFS rates suggest that the prognosis for patients with TNBC is better than previously thought.

結論

早期乳癌ではアバスチンを使用して生命の延長は得られず、併用する明確な利点は見つけられなかった。

胸水・腹水治癒・主要縮小効果

腹水はVEGF血管内皮細胞増殖因子)によって貯まります。VEGFは液体血管内成分である血清を漏出させます。それゆえVEGFは発見当時VPF(血管透過性因子)と命名されていました。 その後VPFに血管内皮細胞増殖作用が見つかり、VEGFという名前に変更されました。そこで大きな誤解が生じました。VEGFが唯一無二の血管新生因子と考えられたのが大きな誤解でした。VEGF意外にも多数の血管内皮細胞増殖因子が見つかっています。有名な科学雑誌サイエンスにも掲載されていますがCOX-2も強力な血管新生作用を持っています。その強力な阻害剤であるセレコキシブは有用な血管新生抑制剤となります。VEGFにはVEGFA-EPIGF 1-27種類がありその受容体であるVEGFRにはVEGFR1-33種類存在します。アバスチンはそのうちのVEGF-AVEGFR-2の結合を阻害するだけで大きな効果は期待できません。それゆえ抗VEGF薬であるアバスチンは胸水・腹水に効果があると考えられますが全く効果は期待できません。

アバスチンは多く癌治療に使われていますが再度効能書を読まれることをお勧めいたします。例えば

 1)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び扁平上皮 癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合

1)術後補助化学療法において、本剤の有効性及び安全性 は確認されていない。

2)【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び 安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う こと。

各種状況下において有効性と安全性は確認されていないと記述されています。

なぜこのような記述がなされたか考えてみましょう。

1.分子標的薬はその名の通り、標的を射る薬剤です。アバスチンは分子量が大きく細胞内に入れず細胞外受容体から細胞内の標的を射ることになります。細胞内作用薬より遠方で射るわけですから当然当たる確率は少なくなります。

2.標的に当たったあとの刺激はシグナル伝達経路を通じてDNARNA、活性タンパクという順になります。そこまでの経路はアミダクジのごとくとなり活性タンパクに行き当たる確率は非常に少なくなります。

3.受容体に変異が起こった場合、細胞内に刺激が伝わらず薬剤効果は期待できません。

 

胸水・腹水の正しい治療法

腹水・胸水の原因はVEGFです。癌治療で腫瘍微小環境を考慮に入れた癌治療で胸水・腹水は完全に消失させることができます。転移病巣の環境は原発巣とは異なり、胸水と腹水は胸膜・腹膜と新生血管が主役を果たします。薬剤侵入を拒む線維芽細胞はあまり大きな役割を演じません。それゆえ抗VEGF薬剤+抗癌剤で胸水・腹水は完治できます。抗VEGF剤はもちろん細胞内で作用する薬剤でなければいけません。こういった意味合いからアバスチン(ベバシズマブ)は胸水・腹水貯留治療には全く無力な薬剤です。現在のところ最適な薬剤はサリドマイドとセレコキシブです。

動画

強力な主要縮小効果を得るためには

各種抗癌剤治療にはDNARNA部分に働くだろうと考えられているサリドマイドの使用は理にかなっていると思います。更にCOX-2阻害剤であるセレコキシブの併用は必須です。それに低用量の抗癌剤の併用が効果的であると言えます。